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「コンタクトレンズの<PWR>って何だろう?」と疑問に思ったことはありませんか。
PWR(パワー)は「度数」を示す数値で、コンタクトレンズを快適に使うには欠かせないものです。 この数値を正しく理解することで、自分の目に合ったレンズを選べます。
この記事では、PWRの基本的な意味や確認方法、他に知っておきたいレンズデータについて詳しく解説します。
まず、コンタクトレンズの「PWR」について、具体的に見ていきましょう。
「PWR」は「Power(パワー)」の略で、コンタクトレンズの度数を示す数値です。 近視の場合はマイナス、遠視の場合はプラスでそれぞれ表記され、数値が大きいほど度数が強くなります。
例えば、近視用のレンズであれば「-3.00」や「-5.50」といった数値で表されます。
この度数が自分に合っていないと視力を矯正できないばかりか、目に大きな負担がかかることも。安全で快適に使うためには、正しい数値の確認が必要です。
コンタクトレンズの度数(PWR)は、単に視力だけで決まるものではありません。 視力は目の前にあるモノを見分ける能力で、個人差が大きくあります。
つまり「視力が1.0だからPWRも1.0」といった単純なものではなく、同じ視力の方でも異なるPWRが必要な場合があるのです。
自分に合わない度数のレンズを装着してしまうと、視界がぼやけたり、目が疲れたり、さらには頭痛を引き起こすこともあります。
コンタクトレンズの度数は、自分の目に合わせて決めることが大切です。
ほとんどのケースにおいて、コンタクトレンズのPWRとメガネの度数は異なります。 コンタクトレンズとメガネとでは、レンズから目までの距離が違うからです。
メガネには、目とレンズとの距離が12mmほどあります。一方で、目に直接装着するコンタクトレンズは距離がゼロ。この違いにより、同じ視力矯正でも度数は変わってくるのです。
メガネの度数と同じコンタクトレンズを使うのは避け、眼科できちんと検査を受けましょう。
次に、コンタクトレンズのPWRを正しく確認する方法について解説します。
PWRは、コンタクトレンズの製品パッケージに記載されています。
具体的な数値は「PWR」や「D(ディオプター)」で表記されているため、すでにコンタクトレンズを使っている方で自分のPWRを正確に知りたい場合は、チェックしておきましょう。
また、PWRはブリスターパックにも印字されていますので、手元にパッケージが無い場合はこちらを参照してください。
今からコンタクトレンズを使い始める方であれば、眼科でもらえる処方箋を確認しましょう。
眼科で目の検査を受けると、自分に合うPWRが書かれた処方箋がもらえます。 処方箋には、PWR以外にも目の曲がり具合を示す「ベースカーブ(BC)」など、レンズの詳細なデータが記載されていますので、大切に保管しておきましょう。
自分の目に合わないレンズをつけると、目の健康を損ねてしまいます。コンタクトレンズを選ぶ際には、必ず処方箋をチェックしてくださいね。
眼科でもらえる処方箋には、PWR以外にもいくつかのデータが記載されています。詳しく見ていきましょう。
「DIA」とは、コンタクトレンズの直径を指します。 コンタクトレンズのDIAは一般的に13.8~14.5mmほどで、目とのフィット感に影響します。
DIAが大きいレンズは、目を覆う面積が広いためズレにくく、逆にDIAが小さなレンズは扱いやすく、目の呼吸も保ちやすいという特徴があります。
DIAは製品によって固定されているため、できるだけ自分のデータに近いものを選びましょう。
「BC」はベースカーブの略で、コンタクトレンズの曲がり具合を表す数値です。
BCが合っていないとレンズが目にフィットせず、ズレるなど不具合の原因になります。 日本人の一般的なBCは8.6~8.8mm程度で、PWRと同様に、自分の目に合ったものを選ぶことが大切です。
ベースカーブも処方箋に記載されているので、購入時に把握しておきましょう。
「ADD(アディション)」は加入度数と呼ばれ、遠近両用レンズで使われる数値です。
遠くを見る度数を基準に、近くを見る度数とどれだけ差をつけているのかを表しており、老眼などで手元が見えづらく、視力矯正が必要な方に使用されます。
例えば、処方箋においてPWRが「-4.00」で、ADDが「+2.00」と記載されているレンズは、近くを見る度数は「-2.00」だと判断できます。
ADDにも個人差がありますので、自分で判断せず、眼科できちんと検査してもらいましょう。
「CYL(シリンダー)」は乱視の強さを示し、「AX(アクシス)」はその乱視の方向(軸)を表す数値です。この2つの数値は、乱視用コンタクトレンズに使われます。
乱視とは、水晶体や角膜の形状が不規則なことで起こるもので、焦点が1つに定まらず、どの距離でもピントが合わない状態です。 CYLで乱視の度数を調整し、AXが乱視の方向を合わせることで、視力が正しく矯正されます。
乱視だと診断されると、処方箋にこのCYLとAXの欄にデータが記載されますので、その数値をもとにコンタクトレンズを購入しましょう。
コンタクトレンズを購入する際には、事前に眼科を受診しましょう。
これまで解説してきた通り、コンタクトレンズを快適に使うためには、目の状態や度数に適したレンズデータが必要です。 自己判断でレンズを選ぶと、視力が合わなかったり目にトラブルが起きたりするリスクが高まります。
目の健康を保つためにも、眼科で検査を受けてからコンタクトレンズを買いましょう。 また、目の状態は変化していきますので、購入後も定期的に検診を受けてくださいね。
今回は、PWRの基本的な意味や確認方法、他に知っておきたいレンズデータについて解説しました。
レンズの度数を表すPWRは、目の視力や状態によって決まる数値です。 コンタクトレンズを購入する際には眼科を受診して、処方箋に記載されたPWRやBCなどのデータをもとに選びましょう。
この記事を参考に、目の健康を守りながら快適で安全なコンタクトレンズ生活を楽しんでくださいね。